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木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 第30話:T大工さんからの電話

 

第30話:T大工さんからの電話
 

 

T大工さん 「白鳥さん。悪ィ。建て方1週間ずらしてくれ!」
 

 


大工さんから来た電話の開口一番のこの言葉に私はびっくりしました。 

 

 


私 「え!?・・どうしたんですか?」

 

 

 

 

 

 

T大工さん 「おふくろが死んだ」

 


私「え...」

 

 

 


T大工さん 「実は、もってあと10日~2週間かな・・という状況だったんだ。
建て方終わったら、屋根板までかけて雨が入らないように囲った状態で何日か休みをもやおうと思っていたし、
下手をすると建て方中に建て方をストップするかもしれないと心配はしていたんだ。」

 


私 「そうだったんですか...。」

 

 


T大工さん 「今、病院から電話があって、急に亡くなったと連絡が入ったんだ。
実は、今日の昼間も会ってきたんだよね。」
 
 

 
私 「そうだったんですか。まずは分かりました。1週間ずらす手配を掛けます。
お通夜や告別式の日程と場所をあとで教えてくださいね。」
 
 
T大工さん「悪いね」


私「いえいえ。あとでゆっくりお話ししますが、救われた感じがします。
それではまずバタバタしているでしょうから...。」

  

 


電話を切った私は不思議な感覚になっていました。


  

 

 
 まずはパネル工場のSさんに電話して事情を説明しながら、1週間延びることになったので、「厚壁パネルに再挑戦」の方向で決まりました。
 

そして、フェイスブックやメールやFAXで「建て方を1週間スライドする」ことを連絡しました。

事情は、もちろん大工さんの身内にご不幸があったということです。

 

 

 

 お通夜の会食の時、T大工さんとゆっくり話をしました。
 

 T大工さんのお母さんは年齢的に大往生であったこともそのとき知りました。


 その中で私からは、1週間建て方がずれたことで救われたことを、今までの経緯も含めて裏事情を話しました。


 T大工さんからは、建て方中に亡くなったらまずいなぁ・・と冷や冷やしていたことなど、どのタイミングで亡くなったらこうしよう・・と想定していたことの話をされました。

 

 

うまく表現できませんが、
T大工さんのお母さんは、最後の最後までT大工さんや私を助けてくれる
このタイミングで天寿をまっとうなさったのかな・・
という不思議な感覚を2人で話していました。

 

 

私も人生の最後は、最後の瞬間まで誰かのためになる形がいいなぁと思うのでした。

 

 

 

 

 

T大工さんのお母さん...長い人生お疲れさまでした。

 

 

 

 

 


そして、ありがとうございました。

 
 

 

 
 
つづく


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

Posted at: 2016.9. 5(月)

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 第29話: 壁パネル化実験と不思議な30分間

第29話:壁パネル化実験と不思議な30分間
 

 建て方が徐々に近づいているころ、この実験ハウスでは建て方の方法についても新しい実験を計画しておりました。

 それは、分厚い断熱壁の「大型パネル化」です。

 

 300㎜断熱という超高断熱住宅で、壁をパネル化して現場の工数を減らせないかという挑戦です。

 

 この壁パネル化の主な目的は下記のような点です。

 

①  付加断熱をするようになってから、時々お客様に「なかなか外壁工事になりませんね」と言われます。
 大工さんの視点から見ますと、家2軒分の断熱をするので手間が掛かるのは仕方がないとなるのですが、多くのハウスメーカーさんは建て方が終わると、すぐに外壁施工を始めるため、比較するとやはり進みが悪いように見えます。
 その点の解決策にならないか・・。

 

②  トリプルガラスになってからサッシが非常に重く、2階に大型サッシがあるとそれを持ち上げるだけで重労働となってきています。それを壁パネル化してサッシを組み込むことで、現場の重労働を軽減できないか・・。

 

③  今回は、大型木製サッシを4台設置します。そのサッシの重さが一窓=200kg超もあります(@@;)。
   そんなサッシを現場で施工するのは非常に重労働になるため、この木製サッシをパネル化することは現場の安全面と現場スピードからも必須と考えました。

 

④  そして、200㎜付加断熱(300㎜断熱)のパネル化の可能性を探ろうという目的もあります。

 


こんないろいろな目的がある実験だったので、基礎工事中にパネル化の詳細図面と工場との打ち合わせを重ねておりました。

(壁パネル製作の様子:90㎜付加断熱時)

壁パネル①.JPG

壁パネル②.JPG


 そして、建て方2週間前には壁パネル製作も始まり、新住協のメンバーや業界新聞社も含めて多くの方々に建て方時の予定表を配信していました。
 ○月○日 土台式 ・ ○月○日1階壁パネル設置 ・ ○月○日2階壁パネル設置 ・ 見ごたえのある日は〇月〇日 など・・取材に適した日程まで書き込んで連絡済でした。


銘打ったのは「300㎜断熱の大型パネル化」に挑戦です。

(大型パネル化のために作図した図面の一部) 

壁パネル図1.jpg 

壁パネル図2.jpg 


 全ての手は打った・・と思い、時々パネルの進捗を見に行ったり、大工さんと建て方後の作業について詳細打ち合わせをしていました。

 

 

そんな建て方開始10日前でした。

 

 夜8時ころだったと思います。

 

 突然、予想もしなかった電話が入りました。

 

 


 パネル工場からでした。

 

 

 パネル工場担当Sさん 「白鳥さん・・。すみません。建て方を1週間ずらしていただけませんか・・。厚壁パネルが予想以上に時間が掛かることがわかり、とても建て方に間に合いません。」

 


    私   「え!・・。それは困ったなぁ・・。もう、メールでもフェイスブックでもたくさんの人や報道関係の人にも作業工程表を送ってしまっているんですよ。クレーンも日程をおさえてますし・・、その後のソーラー作業の日程もおさえてあるんですよ・・。」

 

   Sさん 「厚い付加断熱下地の無いパネルであれば間に合いますが、どうしても付加断熱部分の作業が、90㎜厚のときと比べて200㎜厚でこんなに作業性が違うのかと思うほど時間が掛かるのです。木製サッシを組み込むのも予想以上に大変ですし。」

 

   私 「困ったなぁ・・。あまりにも多くの人に告知してしまったので、いまさら『パネルが間に合わないから1週間ずらします』って格好悪いなぁ・・。」

 

   Sさん 「付加断熱下地なしで進めますか・・。」

 

   私 「それもそれで、『せっかく厚い断熱パネルを期待して見に来たのに』 となりそうだなぁ・・・」
 

 

   Sさん 「困りましたねエ・・」

 

 


 私は、既に告知した作業日程を優先して付加断熱下地なしの普通壁パネルにするか...、

厚壁パネル実験のために日程をずらすか...

悩みに悩みました。

 

 


 一度電話を切って、T大工さんにメールをしました。

 

 私のメール  「付加断熱下地・・パネル化しないで現場作業でいいですか?」

 

 T大工さんのメール  「いいよ」
 

 

 私は、多くの人の予定を変更するには大義名分が無さすぎると判断し、厚壁実験をやめて普通の壁パネルで建て方することを選択しました。

 

 これで、新聞取材の意味もなくなり話題性の乏しい建て方になるのは決まり、わざわざ見に来る人にとっても、見る意味の少ない建て方になることは明白でした。

 

 

 

 私はパネル工場担当のSさんに電話しました。

 

 私 「厚壁パネルをやめましょう...。とても、パネルが間に合わないから建て方を1週間ずらします...とは言えないほど、いろいろな段取りをしてしまっているので・・。」


 Sさん 「申し訳ございません...。それでは明日から、普通パネルで作業を進めます。」

 


私は電話を切った後、心の中で「がーーーン(--;)」と呟いていました。

 

 

 

 私の心の中「せっかくあれだけパネル図を作って、打ち合わせも重ねてきたのに、ほぼ無駄になってしまった・・(--;)

 この家づくり・・流れがいいのか 悪い流れに乗っているのか 判断に困ることが多いなぁ・・。どっかで大きな落とし穴があるのかなぁ・・」と心配する気持ちでモヤモヤしていました。


 土地探しからの流れはいいと思えば、パッシブハウス認定はギリギリで足元をすくわれ断念。
何かが引っ掛った気持ちになり・・、しかし、そのおかげで暮らしやすいプランに急変し「怪我の功名」と思えるようになりました。
基礎工事中はギリギリで新しい実験工事が間に合ったかと思えば、せっかくの厚壁実験はギリギリでNGとなる・・。

 

 
 私は、人生の流れが変わることだけを恐れています。

 


 いい流れなのか悪い流れなのか判断できないこれらの二転三転の出来事に「どういう流れなんだ」・・と自問自答して家づくりは進むのでした。

 家づくりは、現場の状況で図面からの調整が必要になることはしばしばあります。自由設計で、なるべくお客様のご要望に「無理です」と言わない家づくりを進めているので、そういう現象が起きます。それが「怪我の功名」と思えると安堵し、そう思えないとストレスがたまるものだなぁ・・・と自分の家づくりを通して感じます。

 


 私の場合は、最後は、「人間万事塞翁が馬」という哲学を持っているので、その起きた現象から何かプラスになる要素を見つけようとします。

 しかし・・今回の厚壁パネルの施工実験断念はモヤモヤ感が強いものでした。

 


 そんなパネル工場担当のSさんと30分間の悶々とした電話のやり取りのあとでした。

 

 T大工さんから突然電話が入りました(おおよそ夜8時30分)

 

 

  


 それも、つい先ほどの電話内容よりも、はるかにびっくりするような電話内容だったのです。

 

 

  

 

 

T大工さん 「白鳥さん。わりィ(><)。建て方1週間ずらしてくれ!」
 
 

 

 


 
つづく

 


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

Posted at: 2016.8.25(木)

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 第28話: 20年前の約束

 

第28話:20年前の約束

 

 

 基礎工事もギリギリに変更を繰り返しながらも、なんとか「実験工事」・「測定センサー設置」も含めて完成しました。

ボイド菅⑥.jpg


 基礎は終わりましたが、木工事開始まで1か月ちょっと空きます。
  
 理由は、今回の木工事は当初から大工さんが決まっていたからです。

  

 

 担当大工さんがいつから決まっていたのかと言いますと・・、

 

 

 


 20年前からです。

  

 

 


 20年前、私はN建設に勤務するペーペーでした。
 
 もちろん、その当時から断熱気密については、勉強しながら知識を増やしておりました。
 
 そして、その大工さん(T大工さん)は、N建設ではなく別のハウスメーカーに所属する大工さんでした。


 何故、そんな別のハウスメーカーに所属するT大工さんと接点があったのかといいますと、N建設の物件が重なったときに大工さんが不足してしまい、そのハウスメーカーさんから助っ人として一時的にお借りしたのでした。

 

 N建設時代・・、私の記憶では、T大工さんと現場を一緒にしたのは、その1物件だけだったと思います。

 

 


 その現場を進めている間のお互いの印象はこんなものだったと思います。

 

(私のT大工さんに対する印象) 
〇 難しい仕事でも丁寧にこなして、自信満々でありながら低姿勢な大工さんだなぁ・・。自分の意見をどんどん言う大工さん。

 

(T大工さんの私に対する印象:あとで聞いた話)
〇 普通は、自分(T大工さん)が「こうしたほうがいい。こんな感じで施工する」と意見をいうと、ほとんどの現場監督は「はい。お任せします」と言う。
こいつ(私)は、まだ若いくせに「それはお任せします。でも、これは断熱の観点から、こういう感じで施工してください。」と自分の意見を持ってくる。
その割には、下請け業者に対して偉そうにしない。

〇 現場のごみ運びや、雑作業など、普通の現場監督が嫌がる作業も気にしないでやっている。
 

 

 こんな感じです。
 
  


 そんな現場での木工事は、きれいに施工したいT大工さんの意見と、断熱理論をきちんとしたい私の意見をすり合わせながら、がっぷりよつで進んでいきました。
終盤にはこんな会話が出るほど、私とT大工さんは仲が良くなっていました。

 


 T大工さん 「白鳥さんは、いずれ独立するタイプだな。」

 

 私 「え?俺が独立するんですか・・? 今のところはイメージが出来てませんね。」

 

 T大工さん 「間違いなく独立する。」

 

 私 「いつか独立したいなぁ・・という思いはありますが・・」

 

 T大工さん 「そのときは、俺が手伝ってやるから声かけて。この現場終わっても、俺の現場にちょこちょこ仕事を見に来てよ。俺の仕事ぶりが分かるから。」

 

 私 「見に行っていいんですか?それじゃ、面白い現場があったとき一度ご連絡いただけませんか!」

 

 T大工さん「それと白鳥さんが自宅を建てるとき俺がやってやるから。」

 

 私「ホントですか!?それはお願いしますね!。」

 


 その当時は、仙台から150kmも離れた岩手に来るとは夢にも思っておらず、仙台のどっかに家を建てるのだろう・・と思っていました。

 

 T大工さんとは、その後、仕事を一緒にすることは無かったですが、T大工さんがやっている某ハウスメーカーさんの現場を見に行ってその腕の良さをますます知ることになったり、断熱施工的な意見交換をしたりする機会があり、なんとなくつながっていました。

 

たった1つの現場をいっしょにやっただけで「白鳥さんは絶対に独立する」と言い切ったT大工さんは見る目があったということなのでしょう。今思えば、すごいです(^^;)。

 

 そして、私が本当に独立するときも相談したりして、独立後、本当に私の現場を手伝ってくれるようになりました。

 


 独立して約13年も経ちました。
 

 

 ようやく自宅を建てる機運が高まり、そんな我が家の家づくりの約束をしたのは約20年前・・。
 

 


私「我が家の木工事に、岩手まで来れますか(^^;)?」

 

 


T大工さん 「仕方ないなぁ・・。20年前の約束だから・・。」

 


 

 
つづく


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

Posted at: 2016.8.15(月)

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 第27話:地中熱利用 ヒートポンプって何?

第27話:地中熱利用 「ヒートポンプ」って何?

 


この実験住宅には地中熱を利用するため地面に深さ100mの穴を1本掘っています(ボーリングにて)。

 

【 サンポットのカタログのイメージ図です。 】

地熱.jpg

 

深さ100mというと図にするとこんな感じです(長っ・・(@@;)

地熱100m.jpg

 

 

 


その100mの穴に液体を循環させるパイピングをして「暖房」や「融雪」・・、

そして、なんと「冷房」にも地中熱を使います。

 


言葉にするのは簡単です。


でも・・、「暖房」や「融雪」に熱を利用するとすれば、それは「50℃~80℃」の熱が必要になります。
 

地中の熱はせいぜい10数℃です。


 地中の熱が10数℃なのに、どうやって50~80℃の熱になるのでしょうか・・。

 

 

 

 

 それが 『 ヒートポンプ 』です。

 

 

 

 

<<< ヒートポンプを少し理解してみましょう >>>

 

①  まずは「物質」で考えてみましょう。

 

丘の上に「池A」があるとします。丘の下の方に「池B」があるとします。

池の水②.jpg

 雨が降ると「池A」の水はあふれて、小川を通って下の方にある「池B」に水が流れます。

池の水③.jpg

 このように、物質は「高いところから低いところ」に移動します。

 

 


しかし、何らかの事情で「池B」の水を「池A」に送りたいと思ったとき、どうすればいいでしょう?

 

 

 

 そうです。ポンプを使うのです。

 

池の水④.jpg

 

 


 ポンプを使えば水は「低いとことから高いところ」に移動します。
 

 


② 今度は「熱」について考えてみましょう。

 

 中央を断熱ドアで仕切った2つの部屋があります。
 
  

熱移動①.jpg

 左の部屋の室温は30℃とします。右の部屋の温度は10℃とします。

 

 その状態で、断熱ドアを開けると、

左の30℃の部屋から右の10℃の部屋に「熱」が移動して同じ温度になろうとします。

熱移動②.jpg 

 


これを先ほどの丘の図にすると、熱も「高いところから低いところ」へ移動しているということになります。

 

 熱移動③.jpg

 

 しかし、「地中熱」や「空気熱」のようにちょっと低い温度では、そのまま生活熱には使えません。

『少し低い温度の池』から室内の「暖房」や「給湯」に使える『高い温度の池』に

熱を何とか移動させないとなりません。

 

 それをするのが「ヒートポンプ」なのです。



熱移動⑤.jpg

そうなのです。

熱も物質と同じようにポンプを使えば、低いところから高いところへ移動できるのです。

 


もう少し具体的に言いますと、

10℃の水を「何らかの方法」で50℃に変化できると・・、

20℃を必要としている暖房に使えます。

40℃を必要としているお風呂に使えます。


・・ということなのです。

熱移動⑥.jpg

 なんとなくヒートポンプのイメージが出来てきましたでしょうか。

 

 

 「何らかの方法」とは何でしょう・・。それは物質の「圧縮」です。

 

 空気でも水でも、圧縮すると熱が上がります。

 

 人間の力で圧縮する程度では大きな温度上昇は感じませんが、機械の力で圧縮すると温度がかなり上がるという仕組みです。

 外気温‐5℃~‐10℃の空気から熱を汲み上げる方法を「空気熱ヒートポンプ」と呼び、10数℃の地中を通して10数℃になった液体を圧縮して熱を汲み上げる方法を「地中熱ヒートポンプ」と呼びます。

 

 もちろん、少しでも高い温度の物質を圧縮するほうが、より安定した高い熱に変化できます。そのため地中熱のほうが効率は良いということになります。

 

 

 

 

 

「物質」や「熱」は、自然の法則として、高いところから低いところへスムーズに流れます。

でも、なぜか「お金」は 高いところから低いところへスムーズには流れません(^^;)

 

 

 

 蛇足でした・・(--;)

 

 

 

 


 
この地面に100mも掘っていろいろと調査・実験しています。

 

 
 測定結果は、のちのち考察&公開していきますのでご期待ください(^^)


 

 

 

 
つづく

 


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

Posted at: 2016.8. 5(金)

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語  第26話:基礎工事中の慌ただしい変更

第26話:基礎工事中の慌ただしい変更

 

 基礎が進行しているのと並行に新しいソーラー集熱の実験の打ち合わせが進んでいたため本当にギリギリでの基礎変更が多くありました(--;)。

 

 

①  排熱貫通孔の設置

 

   基礎の立ち上がりをソーラー集熱の配管が通ることになったため、貫通するパイプを事前に設置することが必要になりました(下図の赤丸部分です)。

蓄熱計画.jpg 

 

コンクリート工事の後に直径20㎝もの大きな孔を空けるのは非常に大変な作業になるので、断熱型枠を施工するギリギリの段階で貫通パイプの設置が行われました。

 

ボイド菅②.jpg  ボイド菅③.jpg  

ボイド菅④.jpg

 

 

もし、下の写真のようにコンクリートを流し込んで固まった後ですと、ほぼアウトだったギリギリの変更でした(><)

ボイド菅①.jpg

 

  

 

 

次に玄関土間を挟んで東側の蓄熱層に温風を送るダクトも、

玄関土間のコンクリートを施工する前に設置しないと完全にアウトの工事でした(下図の青丸部分)。

 

蓄熱計画図②.jpg

ボイド菅⑥.jpg

 

 ボイド菅⑤.jpg


 断熱ダクトで巻いて、その後ここは砕石とコンクリートでかさ上げを行いました。
 


                    

 

② 蓄熱層の施工

 

  ソーラー集熱を蓄熱するため、「型枠ブロック」と呼ばれるものを設置することが決まりました。


    その設置の様子が下の写真です。

 

   蓄熱ブロック①400.jpg蓄熱ブロック②400.jpg

 蓄熱ブロック③.JPG

 

蓄熱ブロック施工後、鎌田先生や他の研究者の方も確認に来ていただいて次の指示を受けました(^^)。

蓄熱ブロック④.jpg

 

 

 

③ 融雪配管の施工


  最後にウッドデッキにする予定だった部分をタイルテラスにして、かつ融雪実験の配管をするというまさに綱渡りのような変更工事でした(^^;)

融雪配管①.JPG 融雪配管②.JPG

融雪配管③.JPG

 

どの作業もタイミングが悪ければ実験そのものがアウトになり兼ねない非常にヒヤヒヤの変更工事が続きました(><)

 

ギリギリで何とか進んでいることに、「いい流れなんだ」と

ポジティブに考えることで前に進んでいる印象でした(^^;)


  基礎屋さんも「半分苦笑い」「半分ぼやき」のような感じで工事は何とか進んでいきました。

         

  

 


つづく

 


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

Posted at: 2016.7.15(金)

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語  第25話: 温湿度バランス(ちょっと番外編)

 

今回は 温湿度バランスについてちょっと知識を持ってみましょう。

 

簡単な勉強です(^^;)

 

下の図-①は温湿度を見る表です。

 【 図-① 】

空気線図 ①.jpg

 

ちょっと見づらいですので、少し色を付けてみましょう。

図-② をご覧ください。

少し斜めに引いたオレンジの線が室温の 20℃ 25℃ 30℃ です。

そして 曲線が湿度を表してまして、緑が湿度50% 黄色が湿度40% 青が湿度30% を示します。

【 図-② 】

空気線図 ②.jpg

 

 

木の香の家の最近の家づくりでは湿度バランスが取れて来て、

★マークの 温度21度前後 湿度50%前後 で暮らしている方が多いです。

いわゆる「適温・敵湿度」です【 図-③ 】。

 

【 図-③ 】

空気線図 ③.jpg

 

 

その絶対水蒸気量を変えずに室温が30℃まで上がると・・  

なんと・・湿度は30%を切ってきます 【 図-④ 】。

これは乾燥状態になります・・(><)。

 

その乾燥感を無くすには、温度上昇を過剰にしないか水蒸気量を増やすか・・など

いろいろ工夫が必要になります。

空気線図 ④.jpg

 

このように空気とはバランスをとるのが非常に難しく、

今回はソーラー集熱をしながら、この乾燥状態を何とか無くしたいという

実は、かなり難しいチャレンジをしようとしているのです(><)

うまくいったらすごいです!

 

 

 

 

つづく

 


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Posted at: 2016.7. 5(火)

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語  第24話:エコテクノルーでのチャレンジ―その②― ソーラー集熱+非乾燥感

 

第24話:エコテクノルーフでのチャレンジ-その②-「 ソーラー集熱 + 非乾燥感 」

 


 エコテクノルーフによる「融雪実験」と「雪が落ちた場合の対策」について方向性が決まりました。

 

 次は、私が気になっている項目について議論がなされました。

 

 それは「ソーラー集熱は過乾燥にならないのか...?」ということです。

 

 
 ソーラーパネルの裏面の温まった空気を使うソーラー集熱(ソーラー集熱部分の名称は「そよルーフ」)は、太陽のエネルギーを無駄なく利用するという点では素晴らしいといえます。

 

 気になっているのは、ソーラー集熱された空気がどれくらい温まって、それによる乾燥感が起こらないのか・・という点です。

 

(現在の高断熱高気密住宅と呼ばれる家づくりは、多くのハウスメーカーさんの住宅では冬の乾燥感がすごい状況です。

ほとんどの営業マンがそれについて説明をしませんが、質問すれば重い口を開いて「冬は乾燥します」と言い切ると思います。

そのため、乾燥感のあることが一般的なので、ダメなシステムというわけではありません。・・ということを付け加えておきます。)

 

 ただ、木の香の家では長い試行錯誤の結果、冬期間にようやく乾燥感の少ない湿度45%~60%くらいをキープできるような住環境にできています。

  


いわゆる、「適温+適湿度」で暮らせるようにコントロールできているのです。

 

 


それを、「社長の家は乾燥感がすごいです」・・とは言いたくないという事情があります。


もちろん、私自身も乾燥感のキツイ家には暮らしたくないという思いもあるためです。

 


**********************

 

 私   「ソーラー集熱の場合、最高で何℃くらいの空気が何m3くらい入ってくると予想しますか?」

 

 K社さん「最高ですと、60℃くらいの空気が500m3/hくらい入ってくると思います。」

 

 私   「500m3っていったら、家の気積と同じじゃないですか...。しかも、レンジフード2台分の風量ですか...。すごくないですか?」

 

 K社さん「500m3/hといっても一時的な風量であり、供給されればまたソーラー内部の集熱温度は下がりますし、供給量も下がります。」

 

 私   「湿度何%くらいのが入ってくるんですか?」

 

 K社さん「温度は50~60℃で、湿度2~3%くらいです」

 

 私   「え!そんな乾燥空気が入ってくるんですか!?・・・。  家の中、過乾燥にならないんですか?

      今まで、OMソーラーさんの家って乾燥してないんですか?」

 

 K社さん 「そうですねぇ。加湿器は手放せないと思います。」

 


 私   「えぇ...それはやだなぁ...。せっかく『乾燥感の無い家づくりなんですよ!』って自信持っているのに、乾燥感が出ると会社としてちょっと嫌ですねぇ・・」

 


 私   「熱だけもらって、残った乾燥空気・・捨てられませんかねぇ・・」 

 

 **********************

 


ソーラー集熱の場合、一般的には集熱効果を最大限引き出すために、集熱した空気は床下にそのまま供給します。

そこから、室内に送り込まれて家が温まるという考え方です。

 

 ソーラー集熱概念図①.jpg

もちろんこの方が集熱エネルギーを無駄なく利用できます。

あとは乾燥感という環境をどうするか・・という課題だけです。

 


 繰り返しになりますが、ほとんどのハウスメーカーさんの住宅は乾燥するので、その乾燥感が「課題」というとらえ方もあれば、「一般的(普通)」というとらえ方もあります。


一般的と考えれば気にしなくていいことなのです。

 

 

 ただ、今回の住宅は断熱性能がいつも以上に高いため、そこまでの熱を供給されると、室温が真冬でも30度超えをしてしまって、いわゆるオーバーヒートになってしまうのでは・・という恐れも考えられるのです。

 

 


この点について、先生・Iさん・K社さん含めて、いろいろな方法を議論しました。

 


いろいろな案が出されました。

 


最終的に 鎌田先生 と Iさん が いろいろなアイデアを出してくださり、次のような実験を行うことになりました。

 

 


テーマ 【 乾燥感の少ないソーラー集熱 】

 


実験手法① : 床下に蓄熱体を設けて、ソーラー集熱空気は断熱ダクトでそこまでもっていく。

 

実験方法② : 蓄熱体に熱を貯め込んで、余った空気は外部に捨てる(少しもったいない気分)。

 

実験方法③ : 夜間はその蓄熱体にたまった熱を室内に供給する

 

という実験理論です。

 

図にすると下図のようになります。

ソーラー集熱概念図②.jpg

 具体的な詳細図面でお見せしますと下図のようになります。

ソーラー集熱図面①.jpg

 

 

ここでひらめき発生!

 

私 「そうだ・・!。どうせ外部に捨てるのであれば、

その排熱をテラスタイルの先端を通して融雪に利用しませんか?

そうすれば、集熱エネルギーを最大限利用したことになりますし・・。」


 

 

 ソーラー融雪図②.jpg

 

Iさん   「それはうまくいかないんじゃないかなぁ・・」

 

鎌田先生 「意外とうまくいくかもよ・・」

 

 


 実験とはこういうもので、研究者2人の意見が分かれるほど予想しづらいものです。

 

 

 ただ、研究者の方の頭脳の深さは単なる当てずっぽうの予想ではないところがすごいです。

 

「失敗するなら、こういう空気の流れによる原因が考えられる」...とか、 

 

「もしそうなったら、次はこういう工夫をすればうまくいくかもしれない」...というような、

 

失敗する場合の想定と、そうなった場合の想定もイメージしながら話すのです。

 

 

 


最後には、「失敗しても白鳥の家だから大丈夫だ・・」というオチもついてました(^^;)。

 

 

 

 

「乾燥感の少ないソーラー集熱」 への実験理論は決まりました。

 


できれば「乾燥感の無いソーラー集熱」と呼べるようにしたい、という期待もあります。

 


そういう空気環境バランスがとれるかどうか・・。非常にワクワクするポジティブな気持ちとドキドキするネガティブな気持ちの両方を抱くようなチャレンジでもあります。

 

次は、その蓄熱体をどういう「素材」にするか・・その蓄熱体にどういう方法で「空気を供給」すると蓄熱効果が最大限発揮できるか・・という点について、いろいろと議論がされました。

 

 

基礎工事進行中のため、本当に慌ただしい議論になりました。

 

 

つづく

 


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

 

Posted at: 2016.6.25(土)

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語  第23話:エコテクノルーでのチャレンジ―その①―

第23話:エコテクノルーフでのチャレンジ-その①-

 

 ソーラーは三位一体ソーラーパネル(ソーラー発電+ソーラー集熱・実験的にソーラー給湯をプラス)で決まりました。以後、商品名「エコテクノルーフ」で記述いたします。

それがそのまま屋根仕上げ材なので、屋根も一体となり四位一体でしょうか(^^;)。

 

 

 そして基礎工事もスタートしました。

  6月の梅雨入りと同時に基礎はスタート・・(^^;)。基礎としては最も嫌な時期とされてますが、大丈夫!大丈夫(^^;)!

 

 
 基礎工事スタート直後に、エコテクノルーフについて実験内容や施工方法の打ち合わせが持たれました。

 

 

 その会議の問答の中で、着手中の基礎の仕様変更も出てくることになるのです。

 


 単純にソーラーと思いましたが、その中には「面白い実験内容」と「わずかなリスク」もあり、私からの要望も入れて問答をしました。

 

 

 それらをご紹介いたします。

  

 

実験①:屋根角度3寸勾配で雪が滑り落ちるのか?

 

 今回の実験住宅は3寸勾配(10:3)です。

 


本当はデザイン的にもう少し緩く・・、2.5寸勾配(10:2.5)にしたかったところなのですが、

パッシブハウス認定を目指す過程で3寸勾配となったためです。

 


勾配比較 2.5寸勾配.jpg勾配比較 3寸勾配.jpg


 ソーラーにとっては少しでも急勾配のほうが真冬に雪が落ちるので都合はいいです。

 

 しかし、3寸勾配というのは多くのソーラー発電では雪が滑り落ちません。 4寸勾配でもギリギリ滑り落ちないかもしれません。

 

 

 しかも、北上市は岩手県内の中でも多雪地域であり、ソーラー発電は真冬に活躍しない状況が多いのです。

 

 急勾配の大屋根デザインにすれば雪も滑り落ちますのでソーラーも働きますが、無理やり急勾配にしてデザインバランスの悪い家になっていることもしばしばあります。

 

 

 今回は片流れデザインのため、できれば急勾配は避けたいという思いがありました。

 北側の屋根を上げ過ぎたくなかったのです。

 デザイン的に妥協できる限界が3寸勾配でした(出来ればもっと緩くしたいくらい)

 

 

 

 

ここから会議の内容を少しご紹介します。

 

 会議には、「鎌田先生」 ・ 「私」 ・ 

ソーラーの研究者「 I さん」 ・ ソーラー集熱の研究販売元「K社さん」 で行われました。

何度か会議は開かれました。

 

 

 私 「3寸勾配で雪って滑り落ちますかねぇ...。雪が滑り落ちないと、冬期間のソーラー発電は発電しなくなります。それは覚悟の上なのですが、肝心のソーラー集熱が全く作動しないと本当に無駄になってしまうので心配ですねぇ。」

 


 I さん「3寸勾配は実績がないです。3.5寸勾配では滑り落ちることを確認しています。微妙な勾配ですが・・多分、大丈夫かなと思われます。」

  

  


 ここからが面白い話です(^^)

 

 

 I さん 「たとえ雪が積もっても、天気が晴れて太陽光パネルの表面が温まれば雪は融けます。

    そうしますとその上にある雪は滑り落ちると思われます。

    屋根一体ソーラーパネルのジョイント部分で、雪を滑りやすくする対策はしてありますので。」

 

 私 「え・・?なんで雪が積もった状態で、その下にある太陽光パネルの表面の温度が上がるんですか?」

 

 

 I さん 「太陽から出る赤外線の波長で遠赤外線は雪を貫通してソーラーパネル面まで到達します。

          そうすれば、ソーラーパネル面の温度が上がり雪は融けます。

     あとは、実験したことはないですが3寸勾配で滑るかどうか・・です。

     一部が融けて滑り落ちれば、あとはソーラーパネルの裏面の空気が暖められるのでどんどん雪が解けていくと思います。」

 

ソーラー融雪.jpg

 
 私 「へぇ・・雪が積もっていてもその下には熱線が到達するんですね・・。面白い理屈ですね!。

    3寸勾配で雪が滑り落ちたら、日本初の実績になりますね!

    落ちるかるかどうか楽しみになってきました。

    うまくいかなかったときは、メーカーさんとして3.5寸行勾配が限界ですと言えますね・・・。

    滑り落ちてほしいですが・・(^^;)。」


 

 


 実験②:落ちた雪の量の処理1

 私 「この屋根面で雪が落ちたらすごい量の雪山になりますね...。リビングの窓に押し寄せてきそうです...(--;)。」

 

 ソーラー雪滑り.jpg

  これについては、全員であ~だこ~だと議論を重ねました。

その結果・・

 

 

 玄関ホールの南側もタイルで土間続きにした(下図オレンジ部分)ので、

そのまま延長してリビング前もウッドデッキではなく、タイル土間(黄色い部分)にすることにしました。

ソーラー雪山対策土間テラス化.jpg

 かつ、雪山が積もるだろうという位置と段差を大きくして雪山の多くが南に延びていくことを意図することにしました。

ソーラー雪山.jpg

 

 玄関前のテラス土間がそのままリビング前まで連続性もできるので空間的にもすっきりしますし、

落雪&積雪対策にもなるので一石二鳥で即決でした。

 

 基礎工事進行中・・ぎりぎりで仕様が変更なっていくような綱渡りの状況がつづきます(^^;)。

 

 

 このあとも、エコテクノルーフの会議で、とっても面白い実験が発案されてきて、

基礎の仕様が同時進行的に仕様変更していくのでした。

 

 

ある意味・・恐ろしいくらいギリギリのやり取りでした。

 

 

基礎やさんごめんなさい(^^;)。

 


 
つづく

 


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

Posted at: 2016.6.15(水)

今週も連載お休みさせてください(><)

2回目の泣きです(;_;)。

 

プランニング業務が重なりすぎ・・と、出張続き・・、月末と重なって、体と頭がパンパンです(><)。

 

楽しみにしてくださっている皆さん申し訳ございません(><)

Posted at: 2016.6. 5(日)

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語  第22話:基礎工事スタートと 舞い込む実験

 

第22話:基礎工事スタートと 舞い込む実験

 

 いろいろと七転八倒しながらも、着工ギリギリでなんと納得感を感じるプランに変わり、気持ちよく基礎工事がスタートしました。

 


「納得感を感じる」

 


こういう気持ちになれたことに救われた思いをしました。

 

 この基礎工事では、いろいろな実験や測定が盛り込まれることになっていました。

 

○ 1つめは新しい断熱型枠の施工実験です(ビフォーアフターにも登場しました)。

IMG_20150706_093028.jpg

(まるでレゴブロック基礎型枠)

 強化された基礎断熱を省力化しながらできないものか・・という施工実験です。

 

 数か月前から鎌田先生・東北資材工業(断熱型枠のメーカー)・私で、今回試験施工したい断熱型枠の改良版について会議をしておりました。

 dannnetukatawaku kaigi.jpg(断熱型枠改良会議の様子)

 

 そんな会議の中で驚かされるのは先生の発想です。

 

 


 例えばこんなやり取りもありました。


 先生 「捨コンなしで断熱型枠を固定できないか?」

 

 東北資材工業と私 「さすがにそれは無理じゃないですか?・・・。捨コンなしで型枠はパンクしますよ。」

 

 先生 「そお?この断熱型枠のここをこう改良して、こうやれば捨コンなしでも型枠は立つんじゃないの?」

 

 東北資材工業 と 私 「・・・」

 

            「・・確かに・・できそうですね・・。」


 断熱型枠をよく知り、現場の場数を踏んで、施工方法については自信のある私や東北資材工業さんでは思いつかないような・・斬新かつ理にかなった施工方法を、鎌田先生はいつも思いついたように話します。
 このかたの頭の中はどうなっているんだろう・・と驚かされます。


 今回の基礎ではそんな断熱型枠を使ってコラム式の基礎を施工する実験をすることになりました。

DSCF1265.JPG 

IMG_20150706_091541.jpg

 

 


○ 2つめの実験は、なんと基礎工事開始と同時に先生から出された実験でした。
(三位一体ソーラー)

 

 当初は某Kメーカーさんの屋根一体ソーラー発電にする予定で、東北電力さんにも申請が済んでおり売電価格も値下がりする前の価格で認可が下りていました。
 
 そんな中・・数年前から鎌田先生とTaソーラーさんで特殊なソーラー発電を共同研究していたそうで、それがようやく試験設置できるところまで完成したという連絡が入ったそうなのです。
 Taソーラーさんから、「そのソーラーを試験設置できる良い物件はないでしょうか・・」という問い合わせがあり、鎌田先生から私に連絡が入ったのでした。

 

 先生「白鳥君さァ・・単なるソーラー発電乗せるなんて面白くないよ。今回、ちょっと試してみない?」

 

 私 「え!?今からですか!?。既に設備認定も取ってますし、屋根の納まりもメーカーさんと何度も打ち合わせしているので、気が重いですねぇ・・」

 


 先生「白鳥君家が、ちょうどタイミングがいいんだよね・・」

 

 さすがに気が重かったです(それまでの他の方の努力を無にする感じがしたので)が・・そのソーラーの説明を聞きに仙台まで行き、実験好きの私にはぴったりのソーラーであることで・・、悩んだ末にその実験ソーラーに切り替えることにしました。

 


 三位一体ソーラー

 どういうソーラーかと言いますと・・

 ソーラーというと一番初めに思いつくのは「ソーラー発電」だと思います。

 次に思いつくのは「ソーラー給湯」だと思います。

 そして、「ソーラー集熱」というものがあります。

 同一屋根面でこの3つを同時に行う「屋根一体ソーラー」です。

IMG_0647.jpg 

 
 
 もう少し詳しくご説明しますと・・

 

 「ソーラー集熱」とは、太陽光によって屋根面にできた「暖かい空気層」を「暖房熱」として室内に取り込むということです。

 

 私も初めて知ったのですが・・
ソーラー発電パネルの裏面では実は太陽熱で温かくなった空気が流れているのだそうです。

ソーラーで発電しながらそのパネルの裏面を流れている温かくなった空気を室内に取り込もうというのが今回の狙いです。

 

  「ソーラー集熱」という言葉を知らない方でも「OMソーラー」という言葉を聞いたことのあるかたは多いのではないでしょうか。

  

 


 では・・なぜ、鎌田先生が今まで見向きもしなかった「ソーラー集熱」に興味を持ったのかと言いますと、今回のTaソーラーのシステムがほとんどコーキングに頼ることなく、「金属同士のかみ合わせで空気が漏れない」という提案がTaソーラーさんから説明があったためです。

 

 話によると、鎌田先生も20年以上前「ソーラー集熱」の実験を何度となくやったそうなのですが、集熱温度が高すぎて集熱パネルまわりのコーキングが数年で割れてきて漏気が始まるだそうです。


 そこを何度となく工夫して実験しても結局は10年持たずに漏気が起こり、その漏気がどんどん増え集熱量も減ってしまうのだそうです。それでは商品化は難しいと判断して「ソーラー集熱」の研究をやめた・・という歴史があったそうです。

 

 しかし・・今回のTaソーラー発電パネルは金属同士のかみ合わせによるものであり、これなら半永久的に「漏気のないソーラー集熱(集熱量が長い年月、安定して取れる)」になるだろう・・と判断し、いろいろな実験やソーラーの気密測定をTaソーラーさんと一緒に繰り返してきたそうでした。


 そういう試行錯誤の歴史と、我が家の着工タイミングがギリギリ合ったことで、いつもの感覚で「これも流れかな」と思い、急きょ仕様変更をすることを決意しました。


 それまでのKソーラーさんには、本当に申し訳なくお詫びをして了承をいただきました。

 


 実験する項目がでると、それに付随する形でいろいろと新たな問題点や調整点が出てきます。そのやり取りもまた面白く、自分のスキルも上がる感じがしました。

 


それは次回ご説明いたします。

 


基礎工事をしながらギリギリでの基礎仕様変更も出てくるのでした。

 

 

 


つづく

 

 

 


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

 

 

Posted at: 2016.5.25(水)

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