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木の香の家

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④「充填断熱」と「外張り断熱」の性能比較

1.比較のねらい

近年、断熱の施工方法について、いろいろと過剰な表現により、一部の中央資本がブームを意図的に起こそうと しています。特に最近では、外張り断熱が、断熱構造的に熱橋(ねっきょう)の無い有利性を強調して、飛びぬけて優れた工法であるかのような宣伝活動をしています。
実際のところ、断熱性能にどれだけの違いがあるのか、いろいろなパターンで計算してみました。

2.熱橋(ねっきょう)=ヒートブリッジ・・とは・・

「ログハウスで暖かいイメージの木材』と『一番性能の悪い普通繊維10kg品』 同じ厚みで、どちらの断熱性能が高いでしょうか?
私は、建築を始めて間もない頃、ログハウスの印象で、木材の方が断熱性能が高い!・・と自信を持ってました。 しかし、答えは断熱材の方が、同じ厚みであれば、はるかに断熱性能は高いです。目安としては、 「普通繊維グラスウール10kg品100mmの断熱性能」≒「木材240mmの断熱性能」です。
このように、木材は断熱性能で弱いということで、柱や梁などの室内と屋外の両方に面する部分を、熱が逃げやすい 部分として「熱橋(ヒートブリッジ)」と呼んでいるわけです。
ただし、木材部分の断熱性能が0(ゼロ)ではありません。0であればログハウスは寒くて住めません。

3.計算にあたりまして

今回は壁の断熱性能を計算いたしました。
断熱性能を計算する場合、断熱材単体の数値を競って、有利な部分を過剰に強調する営業マンが多いのですが・・、 正確に言いますと、断熱構造によって、断熱材+αの断熱効果を計算に入れないとなりません。
外張り断熱では、「断熱材の断熱性能」+「構造用合板の断熱性能(構造用合板使用時)」  充填断熱では、「断熱材の断熱性能」+「構造用合板の断熱性能(同上)」+「内部石膏ボードの断熱性能」 となります。
その他に、アルミシートなどを使った場合、その効果も+αになります。

4.計算表につきまして

計算表A~Hが充填断熱の計算値 I~Lが外張り断熱の計算値 M~Nが充填断熱+付加断熱の計算値です。
計算表内には、難しい数値が並んでいますが、表の一番下の「実質熱貫流率」の数値を見ればOK!です。
(注意)実質熱貫流率の数値の低い方が、断熱効果が高いということです。
計算表ごとに「考察」や「追記」を加えてます。参考程度に捉えてください。

5.各断熱比較

Ⅰ.充填断熱比較

Ⅱ.外貼り断熱比較

Ⅲ.付加断熱比較

6.「充填断熱」と「外張り断熱」の性能比較の全体考察

いろいろな断熱工法を計算してみるとなかなか面白いです。

○分かったことは、以下のようなことでしょうか・・。

※ 充填断熱工法と外張り断熱工法は、断熱材の「種類」と「厚み」で大きく性能が左右される事。
  特に「厚み」

※ 充填断熱工法で厚み50mmは、どんな断熱材を使っても全体性能がかなり悪いこと。
  アルミシートで断熱補強しても、熱橋50mmでは、気休め程度にしかならないこと。

※ ソーラーサーキット工法の本に載っていたB類1種の外張り断熱は、かなり悪いこと。

※ 外張り断熱で横桟を使用してしまうと、極端に断熱性能が落ちること。

※ 付加断熱工法は別格に性能が良いこと。

※ 最悪の断熱材として槍玉にあがる、普通10kg品も、
  丁寧な施工で厚みを確保することを条件とするとそこそこの数値がでること。

最後に

よく、「断熱材の種類」だけ、「断熱工法」だけの説明で、過剰にアピールする営業マンはたくさんいますが、 断熱性能は、「断熱材の種類・厚み・構造」の複合的な要素で計算しないと意味がありません。 しかも、壁だけではなく、天井の断熱性能・床の断熱性能・サッシの断熱性能・換気など要素は他にもあります。
今回は壁だけの比較でしたが、今回の計算表で、それが伝われば幸いです。

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