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木の香の家

「木の香の家」家づくりのコンセプト:真実の家づくり その1

真実の家づくりを目指したい その1

家づくり住宅業界には、数え切れないほど多くの工法があります。それぞれに一長一短があり、プロでもその良し悪しを把握できないのが現状だと思います。そんな業界に長く居ると、月日の経過とともに、それらの工法の問題点や、隠ぺいされる決定的ミスなども聞こえてきます。基本的には完璧な工法など無いと思われますが、イメージと現実のギャップがひどい工法はいくらでもあります。よくあるのが、南側の外壁で暖まった空気が、北側の壁を降りて、家中をぐるぐるまわるというもので、こういう工法が何種類も出ております。自然の太陽と風で空気がひゅ~っと回って家中が温かい、というエコロジカルなイメージに、「魔法のような住宅になる」と思われている消費者の方も多いのではないでしょうか?プロでも未だにそう思っている人がいます。しかし何故、温かい空気が北面の冷えきった外壁と接触しながら、その温かさを保って基礎まで降りてこられるのでしょうか?棟から基礎までは、約8~9mも距離があります。暖かい空気は密度が薄くなるため軽くなり、上にあがるという常識とは矛盾する理論です。最終的には質問を受け付けないセミナー、そして、聞いてみても「ぐるぐるまわる」という「イメージ」論でしか答えていただけませんでした。アクリル板で作った小型の家模型とたばこの煙を使って、南面から入った煙が北面の下まで降りてくるという、演出された実験は見せられたのですが。
この「からくり」は、次のように説明できます。

  • 模型では、空気の流れる距離が実物の家とは比較にならないほど短いのに対し、
    「タバコの煙」という強い上昇気流と、流量が大きい気体を利用していること。
  • また、実験室内全体が温かく、煙の冷める要素が無いこと。
  • 現実社会では北側の壁が0℃であるという仮定が無視されていること。

この演出を信じて家を建てたお客様の悲劇は、数多く報告されています。表面結露で家の中が湿っぽいとクレームを出す方もいらっしゃいますが、最もポピュラーで、最も手がつけられないのが、内部結露です。北側の土台まわりが、内部結露のため十年程度で腐ってしまっている住宅を実際目にしましたし、よく報告もされています。通気層内の空気が北面外壁で冷やされ、土台付近で結露するため、当然といえば当然の現象なのです。この現状を見たとき、「イメージ」だけの工法の怖さを痛感しました。こういう理論は比較的暖かい地域で考えられたもので、イメージだけで広まった工法です。ですから、次のような具体的な質問は一切受け付けませんし、データーなど決して出してはくれません。

一、 冬、南面の通気層内の空気が棟まで行くのに何度上昇するか?
二、 頂上の暖かい空気が北側の土台にたどり着く際、何度になっているか?
   ※外気温0℃の日

よく、床下の空気の温度を測定して見せられ、「ほら10度もあります」と言われますが、通常、基礎で断熱していれば13~15度は保てます。したがって「10度」は、どこからか冷たい空気が大量に進入してこないと起こりえない結果と思われます。

○○ソーラーシステム

この類の言葉もたくさんあります。この高価なシステムを付けると、暖房費が一切かからない「魔法の家」になるかのような「イメージ広告」があります。しかし、現実は違います。太陽熱を空気に集熱するタイプのソーラーパネルを乗せた住宅と、ちょっと断熱材を厚くした住宅の暖房ランニングコストは、実はほぼ同じなのです。それでも、実はランニングコストがかわらないという現実を、もちろんソーラーメーカーの方は言いませんし、他工法のプロにも意外と知られていないのです。

このソーラーシステムの営業トークに出てくる、
「ソーラーシステム内の空気は、50~70度にも達します」のセリフ。

この言葉によって、一般の方は「ソーラーシステムが太陽の熱を増幅しているんだ」と思い込むのです。そしてイメージする、暖房費「0円」。しかし、このソーラーシステムは太陽の熱を増幅してはいません。つまり、少ない空気に凝縮しているだけの「濃縮還元」なのです。しかも、ソーラーシステム内の空気の量は、家中の空気の量から比べると、ごくごく僅かの量といえます(約1:200~400)。かつ、その熱の大半は、床下のコンクリートに吸われてしまいます。表現を変えると、1000リットルの冷たい水に、1リットルの熱湯を加えても、全体的に画期的な温かさにはならないことをイメージして頂ければ簡単です。
実は、このソーラーシステムより安く効率の良いパッシブソーラーシステムは、簡単にできてしまいます。南面に大きな窓を設けて、日射透過率の良いガラスを使い、夜は断熱ブラインドか断熱障子をすることです。(但し、冬期間の日射量が少ない日本海側では成り立ちません。)
ソーラーパネルは屋根の上で熱を吸収しますが、濃縮中に外部へ逃がしてしまう熱ロスも大きいのです。しかし窓であれば、日射として入ってきた熱は、基本的に家の中の空気をロス無く暖めます。もちろん熱を濃縮還元しているわけではありませんので、空気が50~70度になることはありません。

夜は外が冷えるため、断熱ブラインドをすること。
夏の日射を遮るため、庇を出すか、簾を下げること。

この2点を守れば、簡単にソーラーシステムに匹敵します。ソーラーパネルを使う場合は、給湯用ソーラーの効率が良いそうです。また、昨今は太陽光発電も売電価格が高くなったため、イニシャルコストなどでの経済的なバランスの問題も少なくなり、製造時のエネルギーと発電エネルギーの関係を見ると、地球環境のためには良さそうな感じです。

名ゼリフで消費者を乗せる工法

最近、住宅メーカーの営業戦略に、名ゼリフを作って消費者の方に好印象をすり込むという手法が多く見られます。競争社会、経済社会ですから、これはあって然るべきでしょうが、有名なものに次のような例があります。

○「機械で換気する家なんかにすめるか!」・・で有名になった「中断熱中気密??」という住宅で話題になった本だったと思います。

この住宅の実状は、普通の高断熱住宅と比べて、2倍近い灯油量で家を暖めているという悲惨な結果になっているそうです。その本のイメージとは随分違う結果ですが、建てる前のお客様は、きっと「魔法のような家」になるだろうと思われていたに違いありません。しかし、建ててしまった後、知人の家の暖房費を聞いてびっくりすることになります。「後の祭り」という言葉で片付けるには、ちょっとかわいそうな気がします。ずっと2倍近い灯油を使い続けるわけですからできれば断熱リフォームをお勧めします。

また、最近ではこんなセリフもあります。

○「わずか0.2mm厚のシートに家の寿命を任せていいのでしょうか?」
◯「ビニールハウス住宅」のセリフで有名になった、「いい家が欲しい」のソーラーサーキット。

私は基本的にグラスウール断熱の内部結露を防ぐ工法で家づくりをしています。もちろん発泡系の断熱材をしたこともありますが...。このビデオを見たとき、ソーラーサーキットを棚に上げて、ビニールハウスと表現しているところに疑いを持ちました。ポリシートは湿気を通しにくい、という見た目のイメージを利用したのでしょうが、スタイロフォームもポリシートに負けず劣らず湿気を通しません。ポリシートを柱の内面に貼れば、柱は外壁側の通気層で呼吸します。スタイロフォームを柱の外面に貼れば、柱は内壁側で呼吸します。理屈は同じですので、ポリシート工法を「ビニールハウス」と呼べば、ソーラーサーキット工法も、実は「ビニールハウス」ということになります。このビデオの中で、一部正しい表現をしていると感じたのは、「結局、良い工務店さんに巡り合わないとダメです」という部分でした。
ソーラーサーキットをしている工務店で、バルコニー下の部屋が夏の間だけ結露で雨漏りのようになる、という相談を受けたことがあります。原因は通気層の遮断だったわけですが、結局は、よく理解している工務店かどうかなのです。理論を理解している工務店であれば、発泡系の断熱材でも、グラスウール断熱でも、内部結露を防いで住宅の寿命を100年近くに出来るのです。
そういう意味で、この「いい家が欲しい」のビデオで「グラスウール断熱の全て=悪い」と受け取れる表現は、ナンセンスです。
展示場に行くと、この工法以外は悪い住宅のように言われるそうで、普通の住宅で坪60万円以上というから驚きです。

きっと、このビデオをご覧になり、「ソーラーサーキットだけが良い家だ」と思われてしまった方が、通常の価格の3~5割り増しで家を購入なさるのだと思います。


高い事は、決して悪いことではありません。価格は価値観ですから、その家にそれだけの価値があると感じられれば、それはそれで正しい価格なのです。ただ、消費者にウソの情報を伝えて、安心したいなら坪40万円台でできそうな仕様を、坪60万円!・・という営業手法は如何なものかと思います。
裏の裏をたどれば、一企業が、一研究者に莫大な研究費を払うとなると、消費者から必要以上の価格で買ってもらう必要が出てくるのは当然です。この戦略は、発泡プラスチック系の断熱材メーカーが、断熱材をたくさん売るために一研究者を利用したに過ぎないでしょう。

この他にも、

  • 種火だけでも家中に火が走る、現場発泡ウレタンを堂々と施工している工法
  • 「当社の住宅はあたたかい」というイメージ表現
  • もちろん、どこの営業マンも「寒い家」なんて言いません。「大きな暖房機で燃料をバンバン使えば、温かくなります」というセリフを省略しているだけです。
  • 「高気密」の言葉のイメージだけを逆手にとり、「窒息住宅」や「ビニールハウス」と消費者を脅して、悪いイメージを植え付け、隙間風住宅を売る営業戦略

まだまだ、数え切れないほど、住宅業界には罠がたくさんあります。

また、住宅業界の怖さは、どんなに「宣伝イメージ」と違った使いにくい住宅になっても、それが表に出にくいことです。自分がローンを組んで建てた住宅を自分で否定したくないという思いや、営業トークとの大きなギャップに気付いても、10年も住んでいると「昔の話」と思ってしまうことがあります。また、車のように数年単位で買い替えるわけにはいきませんから、それらの工法の社会的評価が世の中に出ないという理由もあるのでしょう。

しかし、この性質を利用したのが住宅業界の姿であり、現実としては、いろいろと勉強した方が本当に納得のいく家に住めるのだろうと感じています。

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