北上事務所
0197-65-7439
お問い合わせフォーム

木の香の家

木の香の家 新展示場建築物語
TOP > 木の香の家 新展示場建築物語 > 木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 第15話:パッシブハウス認定を目指しての奮闘記 -その4 ・・裏ワザ

木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 第15話:パッシブハウス認定を目指しての奮闘記 -その4 ・・裏ワザ

第15話:パッシブハウス認定を目指しての奮闘記 -その4- 裏ワザ...

 


 目標値である Q-PEX計算ソフト上での  『 暖房負荷5.0KWh/㎡ 』

 


図面骨格を変えても、窓の高さや庇の長さを変えても、何をやっても・・まったく近づく気配を感じず・・ほとほと疲れ果てて来ました(‐‐;)。

 

目標値が絶対におかしいと思うほど・・。

 


そんな悶々としてパソコンの前で腕組みしているとき・・

 

 

ふと・・頭の中に妙案が浮かび上がりました。

 

 

 


「もしかして・・ロフトの天井高さを上げて、

いっそのこと3階建てのように床面積を増やしてしまえば効果があるのでは」・・
(割り算の分母の数値が大きくなるため)

 


 日本では天井高さ1.4m以下のロフトは床面積に算入しませんが、それ以上になれば床面積になるので、その点を利用してみよう。

 


そんなひらめきでQ-PEXをいじってみると・・

 


ステップ③-1:ロフトの天井高さを上げて床面積を意図的に増やす
(分数の分母の数値を増やすため)

 

 

【ステップ③-1の計算結果】
床面積が19.97㎡増えて・・なんと・・

 

暖房負荷 11.6KWh/㎡ ⇒ 9.1KWh/㎡ !!

 

なんと、一気に9KW台まで向上しました(^^)/。

 

 


これはすごい!!!


ちまちまサッシの高さや、図面をいじるより床面積を増やしてしまった方が効果抜群です!

 

光が見えてきました!

 

 

 


・・でも、ちょっと待てよ・・。

 


何かおかしいなぁ・・

 


床面積を増やす・・ということはわざわざ暖房する気積を増やすということになる・・。

つまりは無駄にエネルギーを使う建物になっていくのに、そのほうが認定に近づく・・(??)。

何か矛盾していないだろうか・・

 

図にしてみると下図のような感じです。

 

20160305051014515_0001.jpg

図Aは2階が水平天井・図Bはわざわざロフトを作る。


黄色い部分の気積が増えて暖房するエネルギーが無駄に増える(工事費も無駄に増える)のに、

床面積が増えることでパッシブハウス認定に大きく近づく・・。

 


かなり矛盾した話になってしまいます・・。

 


やはり、全ての認定制度は完璧ではない・・ということがこういう点からも見えてきます。

 

 

そんな矛盾を抱えながらも・・、ようやく光が見えてきた私は、さらなる裏技を投入し始めます。

 


ステップ3-②:換気システムで熱交換効率78%をクールチューブ使って地熱利用すれば2%くらい加算してもいいのでは・・と80%に数字を勝手に改ざん。


【ステップ3-②の計算結果】

暖房負荷 9.1KWh/㎡ ⇒ 8.9KWh/㎡ 

 

 

ステップ3‐③:隙間相当面積は安全を見て0.3㎝2/㎡にしていたが、0.1㎝2/㎡にしてみよう。
(これは大丈夫だと思うので)

 

【ステップ3-③の計算結果】

暖房負荷 8.9KWh/㎡ ⇒ 8.2KWh/㎡ 

  

これは意外と大きい!!

 


ステップ3-④:2階の南窓をあと5㎝設置高さを下げる
(日射熱をわずかでも増やす目的)

 

【ステップ3-④の計算結果】

暖房負荷 8.2KWh/㎡ ⇒ 8.1KWh/㎡ 

Q-PEX3.jpg

 

なんと・・あれだけ苦労していた暖房負荷11KWh/㎡台の壁が、一気に8KWh/㎡台まで下がりました!

 

これなら目標値に到達するかも!・・という期待が大きく膨らんできました(^^)。

 

 

 

 

ここから更なる地獄が待っていたことも・・このときは思いもしませんでした・・。

 

 

 

つづく

 


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

Posted at: 2016.3. 5(土)

« 前の記事へ  |  記事一覧  |  後の記事へ »