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木の香の家

教えて「断熱さん!」断熱コラム 断熱勉強講師を務める、木の香の家代表白鳥顕微志の書きおろしコラム〜牛一頭いれば家一軒が暖かくなります

【ACT4-3】気密測定の「意味」と「意義」

それでは、そこまでしてがんばった気密測定値にどれだけの意味があるのでしょうか?

○気密測定値の「意味」と「意義」 その1
仮に吹き抜けのない延べ床面積40坪(132m²)の住宅で気密測定をしたら、「隙間相当面積1㎠/m²」という測定値が出たとします。これっていったい何を指すのでしょう。
この隙間相当面積1㎠/m²とは床面積1m²につき1㎠の見えない隙間が家のどこかにあるということです。ですから40坪=132m²の家には、132㎠の隙間があるということになります。それは、釘の穴だったり、部材の継ぎ目で出来る隙間だったり、サッシの隙間だったりするわけです。
実はこの132㎠って・・・、おおよそハガキ1枚分の隙間に相当します。
40坪の家にはがき1枚分の隙間です。

気密測定値(隙間相当面積)1.0㎠/㎡これを基準に考えてみると、仮に同じプランで隙間相当面積2㎠/m²という家があるとすると、その家にはハガキ2枚分の隙間が点在することを意味します。
逆に同じプランで隙間相当面積0.5㎠/m²という家があるとしますと、その家にはハガキ半分の隙間が点在するということになります。

気密測定値(隙間相当面積)2.0㎠/㎡ 0.5㎠/㎡

想像の範囲で理解できると思いますが、ハガキ1枚分隙間が点在する家と、ハガキ2枚分の隙間が点在する家、そして、ハガキ半分の隙間が点在する家・・・、暖かさ寒さに極端な影響あると思いますか?

実はありません。

鉄筋コンクリート造のマンションは、構造躯体がコンクリート一体打ちのため気密測定すると黙って0.5㎠/m²前後の測定値が出るそうです。しかし、寒いマンションが多いのは何故でしょう?それは、断熱材を使っていないケースが多いためです。
つまり、「気密性能」と「断熱性能」は同じではありません。無関係でもありませんが・・・。暖かさ(燃費の良さ)とは、ある気密性能に達すると、あとは断熱性能に大きく左右されます。

ちょっと小休止

「気密性能」と「断熱性能」の関係が、ある程度見えてきますと、次のような営業トークのウソが見えてきます。

「うちの会社は気密性能0.5㎠/m²ですから気密性能1㎠/m²の会社より暖かいですよ」

これは、気密性能値が指すレベルも理解しておらず、気密する意味を誤認識している営業マンが、一般消費者の方に過剰な性能アピールするために使う営業トーク・・・、もしくは、本当に理解していないため、正しいと思いながら言ってしまう営業トークです。「意図的」と「勉強不足」では、その営業トークを使う悪質度は違いますが、しっかりとした知識を身につけましょう。

○気密測定値の「意味」と「意義」 その2
気密測定値の差す「意味」を前述しましたが、基本的には断熱性能に大きく影響しません。特に、ACT3でも記述しましたように、「気流止め」が出来ていない状態での気密測定値などは、ますます意味がありません。
しかし、逆に、「隙間風がビュービュー吹き込むような隙間でもかまわないのか」・・というと、これまた違います。そのため、ある程度の気密性能までは確保しないとなりません。

「その隙間がどれくらいのレベルなのか」・・・
ということを把握しておくことが、実は大切だと思います。

建物の気密性能を確保する目的に、「換気経路を計画しやすくする」という目的があります。
家がスカスカであればあるほど、汚れた空気を換気で排出した分の新鮮空気が、どこから入ってくるのか読めないのです。その「曖昧さ」が「自然」という価値観もあるかもしれませんが、もし、不必要なところから新鮮空気が多く入ってくるのでは、住環境が不快になる可能性もあります。極端に言いますと、換気しているすぐ脇に大量の空気が侵入する隙間があると、そこだけでショートカットしてしまい、家全体の空気をリフレッシュすることにはならないのです。

また、住宅業界では、「1時間あたり建物の気積の半分を換気しなさい」と言われてます。よく換気量0.5回というのがこれにあたります。これは、VOC対策を根拠に設定されているようです。

ちょっと小休止(個人的な考え)

私個人的には換気量0.5回/hの根拠がいまいち理解できておりません。100坪の家に1人で住んで1時間に0.5回の換気をしたら、室内は、かなり乾燥してしまいます。住んでいる人の喉も痛むと思います。逆に全く換気をしないと、冬はかなり多湿になり異臭が漂います。冬は、住んでる人もなかなか窓を開けないためです。
そのため、換気は絶対に必要です。「パイプファン換気」や「ダクト式換気システム」で換気してもいいですし、動力を使わない「パッシブ換気」でも構いません。(ACT6で詳細を記述します)
私の今までの経験上、普通の40坪くらいの大きさに4人で暮して、そこで0.5回換気しても、生活パターンによっては、かなり乾燥します。室内で洗濯物を干したり、植物を育てたりして、水蒸気を室内に供給する方と、そうでない方では、乾燥度合いが随分違うような気がします。
そのため、私は、換気量はお客様自身の生活パターンによって、自分で調整してもらっております。乾燥感が強ければ換気量を落として、湿度が高そうだったり、臭いの抜けが悪そうであれば換気量を上げて生活するようにお話しています。0.5回に縛られる必要は無いような気がします。
内装に使う建材や塗料に配慮すれば、0.5という数値より、暮す人が住みよい環境に自分で調整して良いのでは・・・と考えております。
「換気が停電で止まっても死にはしません」「暖かい季節になったら、換気止めて窓開けてもいいですよ」という程度にお話しています。

以上、個人的な考えでした。

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