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木の香の家

教えて「断熱さん!」断熱コラム 断熱勉強講師を務める、木の香の家代表白鳥顕微志の書きおろしコラム〜牛一頭いれば家一軒が暖かくなります

【ACT3-1】「気流止め」の重要性1

最初に、気流止めを理解するために、断熱材の十分に効いていない施工方法を挙げてみます。

左:間違った外貼り断熱 右:間違った充填断熱

上図の「図あ」が「間違った外貼り断熱」、「図い」が「間違った充填断熱」の例を描きました。
この施工方法では断熱材が十分効かないのですが、どこが悪いのでしょう。

左:間違った外貼り断熱 右:間違った充填断熱

大きなポイントは、壁の上下の「気流止め」が出来てないということです。ア・イの部分なのですが、ここが塞がっているかどうかは、断熱構造の生命線といっても過言ではありません。このア・イ部分が開いてますと、主に次のようなメカニズムで断熱性能は、がた落ちなります。

1 室内を暖房すると、石膏ボードの裏面の空気も当然、暖かくなってくる
2 暖かくなった壁内の空気は、軽いので上に行こうとする。
3 そのとき、上部の気流止め部分が(ア)のように開いてると、そこから天井裏に抜けてしまいます。
4 壁の中の空気が抜けた分、壁内は負圧になりますので、(イ)部分から床下の冷たい空気が引き上げられます。

結果、暖房しても暖房しても、どんどん熱が外に逃げて行き、暖まりの悪い家、また、燃費の悪い家ができてしまいます。そして、床下から入ってくる冷たい空気で、表面結露も、内部結露も起きてしまいます。
「図い」のように充填断熱工法でも、壁の防湿シートを土台や桁まで到達させずに、天井や床面で曲げてしまいますと、上下の気流止めがありませんので、壁の断熱効果は、がた落ちになります。それでも、気密測定すれば、気密の数値は良いものが出るはずです。
仮に100mm厚の断熱材を充填する場合でも、イメージでは、壁いっぱいに断熱しているので、隙間はないように見えますが、実際の施工では「図う」のように、断熱材の両端を押し込んだりして、冷たい空気が走るケースがあります。

気流止めをした断熱

上下の「気流止め」をしっかりしていれば、壁内の暖まった空気も天井裏に逃げないわけですから、この押し込んだ部分による悪い影響も無くなります。簡単に言えば、断熱層をペアガラスのように両面を上から下(土台から桁)まで塞ぐという意識で施工すればいいのです。

また、間仕切壁も同様に、上下の気流止めがないと悲惨な住宅になります。「図え」は、知り合いの建材メーカーの人から聞いた話で、「こんな悲惨な現場があったぞ!」・・と聞いた一例です。
「天井のポリシートを何故か間仕切壁の部分で下に降ろして連続させてしまっている」・・という、目を疑うような現場です。これでは、確かに悲惨な結果になります。間仕切壁からどんどん熱が逃げて行き、その分、冷たい空気が床下から入ってくる。オイルショック後に多くみられた建物と何も変わりません。しかも、各居室でカビなどの発生の可能性が高く、生活に支障をきたす恐れがあります。
仮に天井に発泡系の断熱材を使っても、間仕切壁の間柱のところで止めてしまうと結局、熱漏れの激しい家になってしまうのです。
この「図あ」や「図い」や「図え」は、ちょっと講習会で断熱理論を聞いただけで、全てを理解した気になってしまう住宅会社に多く見られる失敗例です。もし、心当たりのある住宅会社さんがいれば、早急に改善することをお勧めします。

間違った知識で施工した悲惨な高断熱高気密住宅

「高断熱高気密」というのは、単にポリシートや発泡系断熱材を貼ったり、気密の数値を競ったりする工法なのではなく、この「壁の上下の気流止め」をすることが一番、肝心なのです。

(注)基礎断熱+屋根断熱では、断熱ラインが基礎と屋根ですので、間仕切壁の隙間は問題ありません。

高断熱高気密の「気密」とは、
このように壁の中の空気が外部へ逃げる部分の塞ぐ「気密」=「気流止め」
が一番の目的だと言っても過言ではありません。

今まで頭の中で想像したり、住宅展示場で不勉強な営業マンに聞いた「気密の意味」と、
ここまで説明してきた本当の「気密の意義」では、随分と差があるのではないでしょうか・・。

skogのいえ